超便利なv-tグラフを紹介!意味とその性質、注意すべき点!

2020年10月18日

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今日は高校物理の運動でよく使うv-tグラフについて説明していきます。

等加速度直線運動を理解するうえで欠かせないグラフです。

公式を覚えるのもこのグラフがあればとても簡単です。

テストで分からなくなったら、私はとりあえずv-tグラフを書いていました。

そしたら頭が整理されたのかなぜか解けることが多かったです。

数学でグラフというものが出てきて以降「なんでグラフ書かないといかんのやろ」って思ってましたが、びっくりするくらい問題が解けるようになったので、「グラフは書かなきゃ」って変わったのを今でも覚えています。

使わない手はないほどすごいグラフなのでしっかり理解していきましょう。

 

v-tグラフとは

v-tグラフとは$y$軸を$v$に、$x$軸を$t$にしたグラフのことです。

こうすることである時刻$t$における速度$v$との関係性を見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもなんでv-tグラフなの?

突然出てきたv-tグラフですが、そもそもなぜ$y$軸を$v$に、$x$軸を$t$するのでしょうか。

根も葉もないことを言えば答えは便利だからです。

とはいえ少しは理由があります。

このようなグラフは主に、横軸の変数に対して縦軸がどうなるか、という見方をします。

なので横軸が常に変化するようなものにすると、x軸がこの時はどうなるのか?この場合は?といった具合に横軸の変化で縦軸がどうなるかを見ることができます。

これを踏まえて加速度運動で常に変化するものは何でしょうか。

速度や加速度、変位も変化はしますが、「常に」とは言い難いです。

常に変化するものと言えば時刻$t$がふさわしいでしょう。

時刻が止まるなんてことSF以外ではありえません。

では縦軸はというと、正直速度だろうが変位だろうが別に問題ないです。

たまたま$y$軸を速度$v$にしたら便利で都合がよかっただけなんです。

場合によっては$y$軸を変位にしたほうが便利な時もあります。

 

様々なv-tグラフ

運動には様々ありますが、それらの運動をv-tグラフにするとどのようなグラフになるのでしょうか。

ほんの一例ですが見ていきましょう。

 

等速運動のv-tグラフ

高校生になって等加速度がでてくるまでは速度が一定の等速運動を勉強していました。

その等速運動のグラフはどの時間であっても速度は同じ(一定)のはずなので下のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

等加速度運動のv-tグラフ

等加速度運動の速度$v$と時刻$t$の関係は、等加速度直線運動の公式1つ目から$v=v_0+at$でした。

故にグラフは下のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

時刻$t$が進むにつれて一定の割合で速度が増加(減少)するので傾きのある直線(1次関数)になります。

もし加速度$a=0$ならば速度は変化しないので等速運動になります。

グラフも傾きが0になるので等速運動のグラフと一致しますね。

 

等加速度運動ではないv-tグラフ

加速度が一定ではない場合はどのようになるのでしょうか。

加速度が変化するので同一時刻に速度が2つ存在してしまわなければなんでもありです。

一例として出すと下のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

現実世界では加速度一定であるものもあればそうでないものもあります。

エレベーターなど加速しているときは加速度一定と思うかもしれませんが、実際そうではありません。

今まで、速度一定・変位変化→加速度一定・速度変化と徐々に運動を複雑で現実的にしていきましたが、この次が存在して、それは加加速度一定・加速度変化です。

さらに次は加加加速度一定・加加速度変化です。

もう「加」を入れればOKって思ってるんじゃないかっていう感じです。

というかゲシュタルト崩壊しそう・・・。

 

v-tグラフの意味や性質と注意すべき点

様々なv-tグラフを見てきましたが、今度はグラフの意味や性質を見ていきましょう。

 

v-tグラフの傾きはその時刻における加速度

等加速度運動のv-tグラフでもお伝えしたとおり、グラフの傾きは加速度を表します。

これは等加速度運動に限らず、全ての運動に対して成り立ちます。

加速度は速度変化の度合いを示すので、複雑な曲線のグラフでも、ある時刻におけるグラフの接線(=傾き)をみれば、その瞬間の速度変化の割合(=加速度)を見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

v-tグラフの囲まれた面積は変位と同じ

v-tグラフのある時刻からある時刻までの囲まれた面積は変位と同じになります。

手始めに等速運動の場合から見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

速度$v_0$として時刻$t_1$から$t_2$までに移動した距離$x$は

$$x(距離)=v_0×(t_2-t_1)=(速度)×(時間)$$

これとグラフの面積を見比べてみましょう。

速度$v_0$は長方形の縦に相当し、時間$t_2-t_1$は長方形の横軸に相当します。

まさに面積の求め方そのままです。

では等加速度運動はどうなるでしょうか。

まずはざっくりと長方形を作ってその長方形のなかでは速度が一定(平均速度)として考えます。

グラフは以下のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

長方形の高さは長方形の幅(時間)のときの平均速度になっています。

速度が一定であれば変位を計算できるので、上に図では2つの長方形の面積の和が変位になります。

でもこれでは正確な変位とは言い切れないですよね。

なにせ一定でない速度を一定として考えているので。

ではこの長方形の横幅をぎゅっと狭くしてたくさん長方形を並べます。

 

 

 

 

 

 

 

これだけ並べてもまだ正確とは言えなさそうですね。

ではこの長方形が無限個並ぶようにさらに横幅を狭くしてください。

無限個ならべるとまさにそれは囲まれた面積そのものではないでしょうか。

この考え方は等加速度ではない運動でも同じ方法で使えます。

以上から変位はv-tグラフの囲まれた面積と考えていいことが分かります。

 

$v<0$の範囲に注意

囲まれた面積は変位だということがわかりました。

しかし少し注意が必要な時もあります。

それは$v<0$になるときです。

物体が右向きに運動しているとして、$v>0$であれば当然物体は右へ移動します。

加速度$a<0$だと徐々に速度は小さくなっていきやがて$v=0$になったのち、$v<0$になることは容易に想像できると思います。

そのときの物体の運動はどちら向きに動いているでしょうか。

そうです。左ですね。右には運動していません。

つまり、来た道を戻っていることになります。

さらに重要なのは変位は「起点と終点の移動距離」であるところです。

総移動距離ではありません。

起点は$v>0$、終点は$v<0$、この時が要注意です。

グラフで表すと下のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

上図は時刻$t_1$を境にして物体が元居た場所に向かって戻っています。

よって時刻$t=0$から$t=t_2$までの物体の変位は、$A+B$ではなくて$A-B$になるわけです。

上図のような等加速度運動をしていても起点と終点がどちらも$v\ge0$の範囲内、または$v\le0$の範囲内あればとくに気を付ける必要はありません。

いつも通り面積を求めてください。

 

まとめ

v-tグラフはいかがでしたか。

v-tグラフがいかに便利なものか理解できたと思います。

等加速度運動の問題を解くときにわからなくなったら、とりあえずv-tグラフを書きましょう。

私もしょっちゅうv-tグラフを書いていました。

手書きのラフなグラフで十分なので、とりあえず書いて1次関数の式とか面積とかグラフを眺めてたらなんか閃いたりすることがあります。

ただし少し気を付けないといけないのは、面積から変位を求める時でしたね。

物体がどう運動しているかを想像できればいたって当たり前のことですが、テストなどで焦っていると意外に見落としやすいので気を付けましょう。

v-tグラフの特徴を知っていれば等加速度直線運動の公式も導出できます。

ぜひ活用してみてください。

2020年10月18日未分類

Posted by sabodaru